Campusセミナー2010in鹿児島
4月17日(土)Campusセミナー2010in鹿児島「情報教育対応教員研修全国セミナー」日本教育工学振興会(JAPET)主催に行ってきました。
もちろん私費での参加ですが、毎回、とてもよい勉強になります。(昼食も出ますし、各企業提供の景品も楽しみなのですが・・・)
今回は基調講演「世界の動向を踏まえた効果的なICT活用」東京工業大学名誉教授清水康敬氏の話がとても刺激的でした。OECDのPISAの調査方法の話を交えながら、スキルの内容や学習方法の変化、今、流行りのクリティカル・シンキングの本来的意味など、ひとつひとつを丁寧にわかりやすく説明されました。
そのなかで特に印象深く残ったのはICTを自己表現やコミュニケーション手段としてだけでなく、コラボレーション(チームワーク)や、それを通して課題を解決していく力を養う手段として捉えるということでした。
非常に広い視野や学術的な理論を背景に話されるので説得力があり、目から鱗の感がしました。
ICT活用の教育効果の検証を教科別や因子別に解説されたこと、また、PISAの調査が今後はWeb上で行われ、回答時間や思考過程が評価の対象になること、携帯電話先進国である日本での情報モラルが世界中から注目されていることなど、引き込まれる話が多くありました。(理科や数学にはICTは効果的だが国語はあまり差がない)
そのなかで世界各国に比べて日本において教育ICTに関わる国家ビジョンの貧弱さ(私はこれを県教育委員会や各学校としてもとらえました)が、ますます世界に通用しにくい人材の育成につながっていくのではないかという危機感も伝わってきました。
それともうひとつ、セミナー「教育クラウドがやってくる」-思いを伝える力を支援する電子黒板の活用-日本視聴覚教具連合会理事、太田泉氏の話も、実際に電子黒板を操作しながらのとても迫力ある話でした。
清水教授との話と関連する内容でしたが、プロデューサーという仕事を例にとりながらここでもコラボレーションで、何か(アイデアや製品)を生みだしていく能力の育成という観点から、電子黒板(とても多機能だが操作が簡単)を使った報告で、これは絶対予算担当者としては整備計画に入れなきゃと思わされました。
その他、ASP(SaaS)の話も参考になりました。クラウドやサースは今後、インフラ整備では当たり前になるかもしれません。
年度当初の煩雑さや多忙さは続いていますが、また新たな意欲が湧いてきた研修会でした。
Meshのメーリングリストに書きこんだ内容をそのまま転用しました。