QRコード利用による要援護者支援
第3回教育ICT研修会は 9月11日(水)「カード式要援護者支援ぴ~すけ」と題して辻利則氏(宮崎公立大学)に報告していただきました。
宮崎県の場合、少子高齢化の進度が速く、10年後の人口動態を予測すると、地域でのコミュニティ形成がかなり厳しくなると、データやグラフを示しながら報告されました。
以前より、要援護者支援にICTを活かす研究をされてきた辻先生ですが、東日本大震災をきっかけに障がい者や高齢者などを地域でいかに見守るかという課題が大きくなってきたといわれます。
障がい者団体や地元自治公民館、小学校をモデルケースに研究を重ねるなか、QRコードを用いたヘルプカードを開発し、見守る側も見守られる側もそのカードを持参し、各自所有の携帯電話やスマートフォンで連絡を取り合うというシステムを考案されました。
そのシステムはCakePHP2を中心に開発されたということですが、個人情報の提供内容は各自に任せ、見守り人や民生委員、自治体職員などがその安否情報を元にケアできる仕組みになっています。
協議のなかではヘルプカード「ぴ~すけ」の普及のため、買い物や医療カードとの併用やポイント制の導入、住基カードとの連携、サーバの安全性、停電対策、避難所での活用などが出されました。
ICT機器の活用を図る上でも、結局、普段からの人とのつながり、人を共感させる言葉掛け、若者の地域への関わりなどアナログ的な要素がベースになるという報告でした。