一人一台の効果と課題
5月24日(土)メートプラザ佐賀で行われた「九州ICT教育支援協議会総会及び公開研究会」に村上理事と亀澤が参加してきました。九州各地から70名を越える参加者で熱気のある研修会でした。詳しくは佐賀新聞でも報道されるようですのでそちらもご覧ください。
確かに近い将来、子ども達がタブレットを使う機会は確実に増えるだろうと思います。ただ、これを学習にどう活かすかはまだこれからという印象です。
タブレットはあくまでひとつのツールに過ぎません。これを過信すると思わぬしっぺ返しがくるでしょう。
「オフラインで使う。ひとり一台にこだわらない。欲張らない。コンパクトに使う。」などの報告もありました。期待しないで賢く使うということが大事なような気がしました。
また、授業以外での活用にも興味が沸きました。高校でのひとり一台では「学級通信をタブレットに配信。カラーがきれい。ホームルームでの連絡。生徒会長選挙に用いる」などがありました。
慣れてくると懲りすぎたプレゼンなどを作りがちですが、それは逆効果になるとよく言われます。そのすごさに子供たちは目が奪われて思考の阻害になるからです。
子ども達の発達段階は個々に違います。タブレットが効果的な子もいれば、なくても学力を伸ばす子もいます。指導者もそうでしょう。時にはICT機器を使わないという判断も大事なような気がします。やはり授業力が問われるでしょう。
今回のパネリストのなかにも「ICT機器を一切使わない日を設けている」という先生もいらっしゃいました。そんな姿勢は大事にしたいですね。
それと現場では先生方にスキルアップの同調圧力があるように感じています。どうも先生方が受け身になっている。つまりスキルアップのかけ声が先行して、現場から何が求められているかが伝わっていないということです。
「もっと使いやすいものにしてくれ」という声をあげるべきだと思いました。桑崎会長の「せめてビデオデッキと同程度の簡単操作にする必要がある」との意見に同感しました。
何でもできる高機能ツールより、「軽い、簡単、安価」ツールが現場から求められているのではないでしょうか。学校現場と文教メーカーとのミスマッチがまだまだあるように感じました。
それと、この九州ICT教育支援協議会の大きな柱でもある「ICT支援員の育成と派遣」は本法人のミッションでもあります。どんなにインフラ整備が進んでもそれをサポートしてくれる人材がいないと現場は混乱するばかりです。ICT支援員の必要性をやはり強調しておきたいと思いました。
今回のセミナーは、ワークショップも含めて、本音の出る研究会で「失敗に学ぶ」という意味でも充実した集まりでした。蛇足ながら、翌日は、村上理事と武雄市図書館、柳川の川下り、北原白秋記念館などを観光して回り、こちらも充実した研修会でした。ありがとうございました。