ICT活用による言語活動

2014112101第3回教育ICT研修会が11月21日(金)に開かれ、「ICTを活用した言語活動の実践」と題して、佐野工氏(宮崎市立池内小学校教諭)に報告してもらいました。

 

内容は、①3年国語「画像から情報を読み取ろう」、②5年社会「学習したことをナレーションで伝えよう」、③6年総合「自分の想いをCMで伝えよう」の三つでしたが、いずれも言語活動を中心にした表現力を鍛える実践報告でした。

 

①については、絵を見て情報を読み取り、絵から読み取った 内容を作文に書く、書いた作文について話合いを持ち、再び絵を見て新たな視点で作文を書くという流れで進められたそうです。 2014112102

当初は「人物や動物の様子、風景を書いた文」だったものが、「様子とそこから感じる自分の感想を入れた文」に変わっていったということです。自分の感想を入れるというちょっとした示唆が生きていたように思います。

 

②については、動画に自分のナレーションをつけて伝え 合うという表現活動ですが、学習内容を元に知識の定着を図る、事象に対する自分の考えを持たせる、新たな疑問を探し出させるという視点を意識されたそうです。

最初、映像のみを見せ、子ども達に内容を調べさせ、あるいは現物を見せ、新たな情報や映像に対する自分の感2014112103想や疑問を述べさせるなどの工夫をされています。その結果、既成のナレーションより説得力のある内容になっているものもありました。

 

③は、卒業目前の子ども達に感謝の気持ちを30秒のCMで伝えるというものです。デジカメやムービーメーカーなどを使って、ホンモノのCMから表現方法を学び、伝えたい内容が効果的に伝わるように作る、作品発表会をする、参観日で保護者の評価をもらうという流れで進められたそうです。

2014112104CMを作るなかで、映像と言語の相互作用、社会とのつながりや意識の違いやズレを考えさせる、建設的な妥協点に探りながら実感をともなったものにするなどをポイントに置かれています。

30秒のなかでも、ストーリー、言葉、音、映像がバランスよく組み立てられた表現になっているように感じました。

 

協議のなかでは、意図的に音を消し映像のみを見せることで子ども達の想像力を刺激するやり方に賞賛の声が上がっていました。何でも与えることは逆に思考力や想像力を妨げている、不便さのなかから発想力や創造力が鍛えられるなどの意見が出されました。 2014112105

小学校、中学校では4~5人でのグループ学習が盛んで、話し合い、教え会う関係が日常的に行われており、高等学校などでも参考にすべきところがたくさんあると感じました。

今後、教師の役割として、コーチャーやファシリテーターなどのスキルも身につける必要があるようです。