学校避難所
恐らく、学校施設の9割近くが地区の避難所として指定を受けているでしょう。しかし、日頃からそのための施設整備は進んでいません。
国立教育政策研究所文教施設研究センターがまとめた「学校施設の防災機能の向上のために~避難所となる学校施設の防災機能に関する調査研究報告書~」(平成19年8月)というものがあります。
この調査は、避難所となった学校が災害発生から避難所閉鎖までどのように運営されたかに関する現地調査の報告書ですが、今回の東日本大震災を受けて、改めて避難所としての学校を見直すきっかけになっています。今回の避難所でも阪神淡路大震災の経験がいろんなところで活かされているのを感じます。
調査のなかで、「避難所となる学校施設に必要な諸機能について聞き取りを行ったところ、避難所用の電話やFAX についての回答が最も多く、次いでテレビとテレビ配線、自家発電設備があげられた。」ということです。情報収集や連絡がいかに求められているかがわかります。ここではさらに防災無線に加えて、インターネットやツイッターなど、ICTの活用が求められるでしょう。
また、その学校の教職員の動きとして、「地震発生後、教職員は、まず、児童生徒の安否確認と心のケアへの対応、通学路の安全確認などを行っており、避難所運営に関しては市の運営担当者のサポート役として協力した。避難所となった学校では電話やその他設備の使用のために職員室等に立ち入る必要があったため、施設管理者としての立場で校長や教頭を中心に教職員が常駐して24 時間対応を行った。」とあります。やはり、その学校の教職員の役割は大きいと感じます。
宮崎県内の学校も地震と津波を想定して、避難訓練を行うよう通知がきています。身体の安全がもちろん第一ですが、避難所としての視点から学校施設の整備も再度、見直しを求めらています。この協議会でも夏に宮崎市内の調査を計画していますが、今回の大震災の報道などを参考にしながら、いくらか実態が整理できればと考えています。