校内テレビのデジタルサイネージ化

以前から検討していた校内テレビをデジタルサイネージ(電子看板)に使う方法を今年度から始めました。まだ試験段階ですがその紹介です。

3年前、ブラウン管テレビを地デジ対応の液晶テレビに更新した時、各職員室に壁掛けテレビとして設置しました。導入時は通常のテレビ放送とブラウザ機能を持つネット放送(アクトビラ対応)の視聴を考えていました。

一方で、体育館、視聴覚室にWebカメラを設置し、体育館で行われる行事や式典、視聴覚室での講演や職員会議などを校内lanを使って見られるようにしたのです。

しかし、各職員室のテレビは職員の多忙化から見る時間などはなく、無用の長物となっていました。その利用法を考えるなかから、校内lanを使ったテレビのデジタルサイネージ化の発想が出てきました。

いわゆる電子看板ですが、そのカタログや見積もりを取り寄せてみると、ほとんどがデパート、ホテル、病院、大学などを想定した仕様になっており、見積額も2,3百万円以上でした。とても学校単独で整備できる代物ではありません。

ただ、その仕組みを調べてみると、ディスプレーとメディアプレーヤーの機器に、オーサリングソフト(プレゼン用のレイアウトなど)とスケジュール管理を組み合わせたものがその概要となっています。

メディアプレーヤーはパソコンの一種です。ソフトは簡単なものでいいわけですから、まずテレビの背面におけるようなパッケージパソコンを探しました。あるものですね(写真参照)。最近では家庭用のテレビにつなぐ小さなパソコンも出ています。

そこで校内のテレビ9台をデジタルサイネージ化する計画を立てました。各端末パソコンの電源管理や画像転送には教育用の環境復元ソフトを使うことにしました。ここがミソです。テレビの電源管理にはタイマーを付けました。

それらを仕様書として作成し、数社と見積合わせしました。なんと50万円を切って導入することができたのです。現在、朝の8時から10時まで自動的にテレビの電源を入れて、メモ帳で作成したその日の行事や簡単な連絡を流しています。HTML作成でページ巡回するものも併用しています。

もちろん課題もあります。パソコンの電源管理や画像転送はその都度、管理用パソコン(写真)から行わねばなりません。管理者の負担が大きいと長続きしないでしょう。また、掲示内容の書き込みとコンテンツ作成も管理者の負担になっています。

また、ネットワーク上の負荷で画像転送が不安定になったり、動画転送には不向きであったりします。機器が故障した時のバックアップなどもこれからです。

それらの課題を解決しながら、今後、これを各教室まで拡張させられれば生徒への連絡や簡単なアンケート調査や一斉小テストなど、多用途の使い道が開かれます。とにかく学校でのテレビ活用をデジタルサイネ―ジも含めて模索していければと考えています。