「民話とかるた」でまちづくり

まちづくりに、民話や昔話、歴史かるたをどう活かすか。また、インバウンド(海外旅行客)にどうつなげるか。2月9日(土)に「民話でまちづくりin高岡」が、天ヶ城麓武家住宅で行われました。

これは、宮崎県地域づくりネットワーク協議会宮崎・東諸県ブロック運営会議の主催で、本NPOが企画しました。

プログラム
1、民話の読み聞かせ
2、昔話のインタビュー
3、高岡歴史かるたの紹介、競技
 休憩 高岡のお菓子、一里山茶ほかの紹介
4、ワールドカフェ
 第1部「民話、昔話を聞く良さって何だろう」
 第2部「高岡で外国人ツアーを企画しよう」

民話の読み聞かせでは、地元の「穆園おはなしの会」メンバーにより、高岡の民話集から「外記(げき)どん」という知恵者のとんち話(笑い話)を披露してもらいました。生目のはんぴドンは知られていますが、似たような人物が高岡にもいたのですね。

続いて、昔話のインタビューでは、去川で生まれ育った方に、幼少時の家族の様子や生活体験、おばあさんの郷土料理などを話してもらいました。自然の豊かさで戦時中でも飢えることがなかったとか。窯で煮炊きすると量の大小にかかわらず20分で調理できるという話など、昔の料理法の利点など印象に残りました。現在、去川では「もった田舎倶楽部」という女性たちが郷土料理を提供し、海外の駐在員の方たちに喜ばれたとか。

アイスブレークでは「高岡歴史かるた」を使いました。かるた会事務局長に刷り上がったばかりのかるたを紹介してもらい、参加者全員で競技しました。このかるたには高岡の歴史や文化、人物などが網羅されており、遊びながらそれらを知ることができます。

休憩は、地元のお菓子(長饅頭、梅干し最中、いりこ餅、ふくれ菓子、日向夏や高岡文旦を使った砂糖菓子)と 一里山茶などを用意し、高岡の食の豊かさを体験してもらいました。

以上を受けて、ワールドカフェでは、第1部「民話、昔話を聞く良さって何だろう」をテーマに話し合いました。

「身近な歴史や由来が聞ける。みんなで畳に座って聞くと楽しい。地元に興味が沸いた。方言が面白い。先人の苦労や知恵は今でも活かせる。生き方や道徳的な面で参考になる。文化継承や世代間交流の良い機会になる」などの意見が出されました。

第2部は「高岡で外国人ツアーを企画しよう」をテーマに、インバウンド(外国人旅行客)の次のような目的ランキングを資料として使いました。

1、自然景観を楽しむ
2、心身を癒す、スピリチュアル体験
3、神社、仏閣、城郭、日本庭園の散策
4、現地の歴史や遺産に触れる
5、田舎暮らし体験
6、郷土料理、地酒
7、地元の土産物

ミッションとして、1.ランキング要素を取り入れる、2.グループごとに国を決める、3. 1泊2日とする、を決めて、グループ毎にアイデアを出し合いました。付箋紙に書かれた意見には次のようなものがありました。

天ヶ城や穆佐城、武家門、二見家住宅などをツアーに入れる。高岡の八十八箇所巡り。去川の郷土料理を古民家で提供する。昔の遊び(ビー玉やめんこ)をやる。歴史かるたの英語版をつくる。かるた競技とその現地ツアー。季節限定の天ヶ城での花見。

高木兼寛が留学した英国から観光客を呼ぶ。日本語と母音が同じスペイン語圏から呼ぶ。宮崎空港に乗り入れている東南アジア圏から呼ぶ。

宿泊は、空家や廃校を利用する。やすらぎの郷や公民館を利用する。民泊を増やす。

その他、若者が稼げる旅行会社を高岡で作り「GoGo高岡観光ツアー」を企画。信頼できる公的機関を窓口にする。神話や民間信仰をツアーに取り入れる。民話を聞かせる(通訳する)。高岡の歴史物語を作る。高岡の地の利を活かす。高岡の観光写真を年賀状で送る。通訳を育成。MUKASAHUBとの連携、地元の料理研究家、歴史家の発掘。民話の語り部を育成する。などなどです。

埋もれている地域資産やアイデアがたくさんあることに気づかされました。さて、これらをどのように活かしていくか。これをきっかけに具体的な動きになれば嬉しいですね。

ご協力いただいた高岡まちづくり委員会、穆園おはなしの会、高岡歴史かるた会のみなさんに感謝申し上げます。ありがとうございました。

参加された「アシタネプロジェクト」の鶴羽さんもブログに感想を載せられています。