Campusセミナー2012in鹿児島

4月21日(土)に社団法人日本教育工学振興会(JAPET)主催の情報教育対応教員研修全国セミナーが鹿児島市で開かれました。本会からは5名が参加し、研修や交流を深めてきました。

冒頭の主催者による最新動向報告で印象に残ったのは、教育の情報化に対して、総務省が情報通信技術面でのインフラ整備を、文部科学省がソフト・ヒューマン面を担当するという役割分担が進んでいることでした。

また課題として、ICT活用による実績がまだ不十分であり、今後、実証研究など多方面での蓄積の必要性などがあげられていました。

基調講演では「スーパーコンピュータが拓く未来」と題して、世界一になった富士通スパコン「京」の開発に関わった門岡良昌氏の話がありました。

事業仕分けで話題になった蓮舫氏の「なぜ世界第二位では駄目なんですか」に対して、心臓や津波のシュミレーションを示しながら、日本の技術立国としての立場や医療現場におけるスパコンの必要性などを述べておられました。

もっとも印象的だったのは「校務情報化と教育クラウド活用の在り方を考える」と題して講演された鳴門教育大学の藤村裕一氏の話でした。

現状の問題点として「予算がない。人がいない(組織がない)、ビジョンがない」をあげ、日本のICT競争力が教育分野では世界96位にあるという実態報告でした。

教職員の時間外勤務が増えている実態をあげ、校務情報化の必要性は、何より児童生徒のための情報共有と教育改善にあることを強調されていました。

そのためには、指導要録等の原本完全電子化と全国標準化および教育クラウドが欠かせないとして、具体的な実現イメージの話をされました。非常に興味ある内容でした。

参加された会員のみなさん、お疲れさまでした。ノートPCの景品を今回も狙いましたが残念でしたね。また、来年、期待しましょう。